このSSはとらハ3とハヤテのごとくとのクロスです。

主人公である恭也はALLエンド後でフリーという設定ですが、前者はともかく後者に意味があるかは正直不明です。

ですから、というわけではありませんが、違和感が出てくる可能性が多々あります。

そんなわけで、それでも読んでみようという方のみ、どうぞお読みくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キョウヤのごとく

 

プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはほんとに海鳴だろうかと思えるほど広い庭のある大豪邸といえる屋敷。

その屋敷内にて、雑巾片手に驚くほどの速度で窓を拭く一人の男性がいた。

その男性とは、つい数ヶ月前にこの屋敷で執事として働くことになった高町家長男、高町恭也である。

なぜ恭也がこの屋敷で働いているのか、それはいたって簡単な理由だった。

恭也や美由希が使う実家の道場、そこの老朽化が最近目立つようになってきたと二人は桃子に言った。

すると桃子は、じゃあリフォームしちゃいましょう、と簡単に告げ、驚くほどの素早さで業者に頼みリフォームが行われた。

しかし、今にして考えればもう少し考えてからすべきだったと皆は思うこととなった。

なぜなら、桃子がそのとき予想していた資金よりも額が大幅に上回ってしまったのだ。

だが気づけばすでに後の祭りなため、抱える羽目になった大きな借金を前に、高町家では家族会議が行われた。

その末、なぜか恭也のみが唯一の男手ということで出稼ぎに出る羽目になった。

そしてもうこうなってしまってはしょうがない、ということで恭也は出稼ぎに出たが、正直稼ぎどころになど当てがない。

故にバイトでも探そうかと町を歩いていたところ、恭也は一人の小さな少女と出会った。

その少女の名前は三千院ナギと言い、後になって知ることになったのだが、大富豪といえる三千院家の令嬢だった。

まあそんなことをこのときは露知らぬ恭也はその出会った少女―ナギといろいろあり、誤解と勘違いを重ねた上で今に至るというわけだ。

ちなみに、出稼ぎということで恭也は今、この三千院家に住み込みで働いていたりする。

 

「ふぅ……これで屋敷内の掃除は終わりだな」

 

窓拭きを終えた恭也は溜め息と共に呟き、雑巾とバケツを用具置き場へと片付ける。

そして今度は庭の掃除だと呟いて屋敷の玄関へと向かっていく。

 

「お〜い、恭也〜!」

 

玄関へと向かっていく際、後ろから聞こえてきた声に恭也はゆっくりと振り向く、

振り向いたその視線の先には、この屋敷に令嬢兼恭也の雇い主であるナギの姿があった。

ナギは振り向いた恭也へと走り寄り、目の前に立つと同時に荒くなった息を整える。

 

「どうしたんですか、お嬢様? そんなに慌てて」

 

「はぁ、はぁ……別に……慌ててたわけじゃ…」

 

「別に俺は逃げませんから先に息を整えてください、お嬢様」

 

恭也の言葉にナギは頷くと、スゥ、ハァと何度か呼吸をして息を整える。

そして息を整え終わった後、ナギはなぜか少し頬を赤く染めて口を開いた。

 

「恭也はこの後暇か?」

 

「いえ、暇じゃないですよ? この後は庭の掃除をしなければならないですし、その後は洗濯物を干さないといけません」

 

「あ〜、それだったらマリアに任せれば大丈夫じゃないのか?」

 

「そういうわけにもいきませんよ。 雇ってもらっている以上、これは俺がすべき仕事ですし」

 

「でもマリアはさっき暇そうにしてたし、それくらい任せても問題は――」

 

「誰が暇なんですか、お嬢様?」

 

ナギが言葉を言い切る前に、突如ナギの後ろからどこか怒気の含んだような声が掛かる。

それにナギがギギギと音がしそうなほどぎこちなく振り向くと、そこには今しがた話に出たマリアの姿があった。

マリアは先ほどの声とは裏腹にニコニコと笑みを浮かべてはいたが、ナギにはそれがなぜか恐ろしく見えた。

 

「マ、マリア……いつの間に」

 

「まるでどこから沸いて出てきたとでも言いたげですね。 ですが少なくとも、恭也さんは私が来たことに気づいていましたよ?」

 

「そ、そうなのか!?」

 

「あ、はい。 お嬢様がこの後暇か、と言ったときにはすでにお嬢様が来た方向から近寄ってきてましたよ?」

 

「……」

 

「そういうことですよ、お嬢様。 さて……では先ほどの言葉について、ちょっと詳しく聞かせていただけますか?」

 

「あ、いや、あれはだな……」

 

完全に笑ってない笑みを浮かべるマリアを前に、ナギはかなり焦りながら言葉を考える。

しかし、かなり照れ屋?であるナギが恭也を前に、デートに誘おうとしたなどと言えるはずもなく……

 

「買い物! 明日のための買い物に行かないかと言おうとしてたんだ!」

 

と、ある意味間違いではないことを口にした。

だが、鈍感な恭也は誤魔化せてもマリアはこれで誤魔化せるはずはなく、マリアの怖い笑みがより深まることとなる。

それにナギはダラダラと汗を流し始め、そんなナギの服の後ろ襟を掴んでズルズルと引っ張っていく。

 

「な、ど、どこに連れて行くのだ!? 私はこれから恭也と買い物に――っ!」

 

「はいはい、恭也さんは忙しいんですから無理を言わないでくださいね。 買い物なら私が付き合ってあげますから、ね?」

 

「ね?じゃなーーーい!!」

 

ギャアギャアと喚くナギを引きずりながら、二人は曲がり角へと消えていく。

去っていく二人を恭也は呆然と見送り、庭掃除を行うために再度玄関へと歩き出す。

 

「明日のための買い物……明日は、何かあったか?」

 

歩きながら首を傾げ、その疑問について考える。

そしてその疑問はふと思い出したことで簡単に解けることとなった。

 

「ああ、そういえば明日は伊澄さんがここに来る予定だったな。 ふむ、なら買い物とはそのためか」

 

浮かべた疑問の答えに恭也は納得したというように頷きつつ、玄関へと歩んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄関へと到着した恭也は近くにある箒を手に取る。

そして木々から落ちた落ち葉をサッサッと掃き集め始める。

 

「ふむ……いつも思うが、ほんと広いな」

 

掃く手を止めることなく周りを見ながら、恭也は呆然と呟く。

それとほぼ重なるように、玄関がガチャっと音を立てて開かれる。

そして扉が開かれた玄関から、服を着替えたナギとマリアが歩み出てくる。

 

「お嬢様にマリアさん……これから買い物ですか?」

 

「あ、はい」

 

「……(むす)」

 

やはり掃く手を止めることなく聞いてくる恭也に、マリアは返事と共に頷く。

しかし、隣にいるナギはまったく口を開かず、如何にも私は不機嫌ですと言わんばかりな表情を浮かべていた。

そのナギが不機嫌な理由に恭也はまったく検討がつかず、マリアへと歩み寄って小声で聞いてみる。

 

(お嬢様、ずいぶん機嫌が悪いみたいですけど……何かあったんですか?)

 

(……やっぱり気づいてないんですね、恭也さん)

 

(? どういうことですか?)

 

(いえ、なんでもありませんよ。 まあ、今は不機嫌ですけど、たぶん帰ってくる頃には直ってますから心配しなくてもいいですよ)

 

(は、はぁ……そうですか)

 

いろいろと思うことはあったがとりあえずはそれで納得し、恭也は仕事へと戻る。

そしてそんな恭也をナギはジト目で見つつ、マリアに連れられて外へと出かけていった。

後に残った恭也は最後までジト目で見ていたナギに首を傾げながらも、自身の仕事に専念するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

遅れましたが、firemanさんのキリ番リクエストでした〜。

【咲】 遅すぎるわよ!!

げばっ!!

【咲】 まったく……リクエストされてから一体どれだけ経ってると思ってるのよ。

いや、そのね、これには山よりも深いわけが……。

【咲】 言い訳無用!! しかも意味がわからん!!

げばっ!! ぐぼっ!!

【咲】 はぁ、はぁ……たく、今度からはもっと早く更新しなさいよね。

ぜ、善処いたします……。

【咲】 で、今回はハヤテのごとくとのクロスなわけだけど、題名がずいぶんとまあ。

まあ、それが遅くなった理由の四分の一を占めていたりする。

【咲】 ずいぶんと微妙な割合ね……しかも悩んでた割には安直だし。

そうでもしないともっと遅れることになるからしょうがなかったんです……。

【咲】 はぁ……ま、いいけどね。

ほ……でだ、ハーレムをご希望らしいんだが、正直ハーレムの枠組みはどこまでだろうというのも遅れた理由だったりする。

【咲】 ま、ハヤテのごとくは女キャラ多いからねぇ。 でも、それならご本人に聞けばいいんじゃないの?

ん〜、確かにそれも考えたけど、とりあえずは自分の考えた範囲内でやってみようかと。

【咲】 ふ〜ん……じゃ、今回はこの辺でね♪

firemanさん、リクエストありがとうございました!!

今回はかなり短いですけども、次回はもっと長めに仕上げるようにしますのでご期待を。

そしてそのもう一方のリクエストですけども、早急に仕上げるよう努力いたしますので少々のお待ちを。

【咲】 じゃあね〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

感想は掲示板かメールにて。

 

 

 

 

 

 

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