―新大陸エレンシア・リーン&フィーナの家―

 

 

 

結論から言うと……フィーナはパコンによって誘拐された。

というのも、恭也が外へと出たと時にはすでにパコンとフィーナの姿はなかったのだ。

その代わりに、地面でノビているジャスティンの姿と、それを揺さぶるスーの姿があった。

これを見る限り、フィーナが攫われたというのは確実と言わざるを得なかった。

 

「情けない……」

 

家に運び込み、起き抜けに言われたその一言にジャスティンはかなり凹んだ。

だが、凹んでいたところで状況が変わるわけもなく、どうするかを悩み始める。

しかしまあ、悩んだところで答えなどすでに決まっているも同然だった。

 

「フィーナを助けにいこう……パコンの奴の好きになんかさせてたまるもんか!」

 

「ああ、行って来い」

 

「おう! ……って、キョウヤは行かないのか? 義理とはいえ妹なのに」

 

「いや、俺も一緒に行ってこの手で八つ裂きしてやりたいのは山々なんだがなぁ……」

 

かなり物騒なことを混ぜつつ恭也はそう言い、流しのほうへと視線を向ける。

そこには使われてからまだ洗われていない食器が残り三つ、それとスプーンも三つ置かれていた。

 

「あれを洗わんといかんし、家の掃除もまだだからなぁ。 これが終わらんことには助けに行っても怒られるのがオチだから出られんのだ」

 

妹が攫われているのに、助けに行けない理由がそれとは正直どうなのだろうか。

そう思っても不思議ではないことだが、正直今は少しでも時間が惜しい。

故にジャスティンとスーは無理矢理その理由で納得し、助けに向かうべく家を駆け出て行った。

二人が納得して出て行ったのを見送った後、恭也は流しから移動してタンスのほうへと歩み寄る。

そして、そのタンスの二段目を開き、仕舞われている服の下へと手を突っ込み、それを取り出す。

 

「ふむ……」

 

取り出したそれ……この世界に来たときに同時に持っていた愛刀の八景を、僅かに鞘から抜く。

そして抜かれた部分の刀身をしばし見た後、頷きつつ鞘に戻して腰のベルトへと差す。

 

「さて……行くか」

 

誰に言うでもなく呟き、恭也は家の外へと駆け出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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第二話 フィーナ救出大作戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―新大陸エレンシア・ニューパームの街―

 

 

 

メリル山道の最短の道を走り、ジャスティンたちよりも早く恭也は街に辿り着いた。

買い物以外、あまり街には来ないほうなのだが、それでもいつもとは違うということぐらいわかる。

いつも以上に賑やかで、ある一箇所に人が集まっていっている様子。

そして街の住人が集まっていっているその場所を見れば、フィーナを誘拐したパコンの意図がある程度わかった。

 

「なるほど。 いきなり結婚式とは……また強行手段に出たものだな」

 

その場所というのは何を隠そう、結婚式場である。

この場所に人が集まっているということは、結婚式が行われようとしているということ。

そして、同時期にフィーナが誘拐にあったとなれば、結婚式を挙げようとしているのがパコンであるというのが一目瞭然だった。

つまりは、フィーナに結婚を迫っても断られ続け、義兄である恭也に頼んでも断られたための強行手段なのだろう。

 

「やれやれ……」

 

額に手を当てつつ溜め息をつき、恭也はゆっくりと結婚式場に歩み寄る。

ジャスティンたちに任せても大丈夫だろうが、恭也は義理とはいえ一応は兄だ。

故に、妹が無理矢理結婚式を挙げさせられようとしているのを黙って見過ごせるわけもない。

だがまあ、見過ごせないにしても、恭也は表立ってフィーナを助けようとなど考えてはいなかった。

なぜなら、そんなことをすれば下手すると略奪結婚と思われてもおかしくない状況が出来上がってしまうからだ。

実際は違うとはいえ、そうなれば今後街に出たとき、確実に注目の的になってしまうので、恭也としてはさすがにそれは避けたい。

ならばどうするか……それはとても簡単で、略奪結婚の的になる輩を変えればいいだけの話だ。

 

「この場合は……まあ、ジャスティン辺りが打倒だろうな」

 

というか、街に買い物以外で滅多に出ない恭也としては、街でのフィーナの交友関係など知らない。

そのため、ジャスティン以外の男の友達を知るわけもなく、ジャスティンが適切だろうと考える。

そして考えるや否や、恭也は即行動に移すため、人知れず侵入できそうな場所を探す。

探し始めることしばし、恭也は結婚式場の裏の物置にて地下水路への通路を発見し、顎に手を当てて少し悩む。

 

「むぅ……地下、か。 場合によってはジャスティンたちと鉢合わせする可能性もあるが……まあ、仕方ないか」

 

多少悩んだ後、恭也は他に侵入できる場所がないということで仕方ないと割り切る。

実際鉢合わせしたところで特に問題があるわけでもないし、決めた予定が変更されるわけでもない。

故に恭也は、物置の地面にある地下への階段をコツコツと足音を立てて下りていった。

階段を下りきるとその先には少し長めの通路が続いており、同時に降りた瞬間から魔物の気配が多数感じられた。

 

「はぁ……地下とはいえ、街に魔物がいるというのは正直どうなんだろうな」

 

再び額に手を当てて溜め息をつき、そう言って恭也は通路を道なりに歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恭也より少し遅れて、街へと辿り着いたジャスティンとスーは結婚式場へと走る。

人が多数集まっているそこは今から結婚式がありますよと言っているようなものであり、事態を把握するのにそう時間は掛からない。

そのため二人はすぐに結婚式場に駆け寄り正面の門から突入しようとするが、当然の如く開くわけがない。

それは当然二人もそうではないかと予想していたため特にがっかりすることもないが、どこから侵入するかに悩むのは変わらない。

だがまあ、動かずに悩むよりも動いて探すほうが意味あることなので、結婚式場の周囲を回りながら侵入場所を探す。

しかし、侵入できそうな場所など式場周囲には見当たらず、建物の横にて立ち止まって二人はまた悩む。

 

「ん〜……もうしょうがないから、扉か窓をぶち破って入っちゃおうか」

 

「ダ〜メ! そんなことしたら周囲の注目浴びちゃうでしょ!」

 

人が多数いる現状で強行手段を取れば、周囲の注目を浴びて一躍街の人気者になるだろう。

そのため、強行手段はあまり推奨できず、結局人知れず侵入ができる場所を探さないといけない。

しかしまあつい最近、というか今日新大陸に到着したばかりの二人に早々見つかるわけもなく、時間がないのに悩むしかない。

と、そんなとき、二人のいる式場横に一人の女性が歩み寄り、式場の窓から何やら羨ましそうに中を覗き込んでいた。

 

「結婚式かぁ……羨ましいなぁ」

 

言葉から察するに、ようは結婚式に憧れを持っている女性だろう。

まあ、だいたいの女性は結婚というものに憧れを持つと聞くので、こういった女性は特に珍しくもない。

故に二人はなんだと思いつつも、そっちに向けていた意識を再び思考の渦に戻そうとする。

だが、次の瞬間、その女性はぽつりと興味深い独り言を口にした。

 

「もっと間近でみたいけど中には入れないし……はぁ、こうなったら裏の物置から忍び込んじゃおうかしら」

 

その呟かれた独り言に戻そうとした意識は再びそちらへと向く。

そして、ちょっとだけ女性の発言に驚きつつも、確認のために声を掛けた。

 

「ねぇねぇ、お姉さん。 裏の物置に何かあるの?」

 

「え? あ、なんだ、子供かぁ。 うん……えっとね、裏の物置に式場に繋がる地下水路への階段があるのよ」

 

「へ〜、そうなんだ。 じゃあ、お姉さんもその地下を通って忍び込んじゃおうって思ってるんだ?」

 

「あはは、そんなわけないじゃない。 さっきのはあくまで冗談よ、冗談」

 

女性はそう言って僅かに笑うと、再び式場の窓へと視線を戻し眺める。

時折溜め息をつきつつ眺め続ける女性に二人はお邪魔しちゃ悪いかなと思い、女性の情報を元に式場の裏へといく。

裏には先ほども回ったときも発見した物置と思しき小屋があり、二人はその小屋の扉をゆっくりと開けると奥の床に階段があった。

その階段を前に二人は顔を見合わせて頷き合い、式場へと急ぐべく駆け下りていった。

 

「うわ〜、なんかすごくジメジメしてそうぉ……」

 

「そうか〜? 地下なんだからオレはこんなもんだと思うけどなぁ」

 

スーは地下水路を見渡して少し嫌そうに言うのにジャスティンはそう返す。

まあ、幼いながらもスーも女性なので、こういった場所が生理的に受け付けないのは仕方の無いことだろう。

だが受け付けないながらもフィーナを救出するためにはここを進むしかなく、二人は揃って道なりに駆け出す。

しかし、駆け出してある程度進んだところで、二人は少し違和感を感じて足を止めることになった。

 

「ねぇ、ジャスティン……こういった場所って、魔物がいるのが相場じゃないかしら」

 

「だよなぁ……なのになんで一匹も見当たらないんだ?」

 

街とはいえ、地下という魔物が住み着きそうな場所にも関わらず、魔物の姿が全く見られない。

魔物が少ない、というのならば別に気にする程度ではないのだが、こうも全くいないと奇妙に思えて仕方ない。

だがまあ、気にして悩んだところで解ける問題ではないし、時間もないのだということで二人は気になるものの気にしないことにした。

そんなわけで魔物消失の原因が気になりながらも走り続け、魔物がいない故にあっという間に水路の終着点に辿り着いた。

 

「ふぅ、やっとついた〜……」

 

「でも本番はこれからよ、ジャスティン。 ほら、あそこから入れるみたい」

 

指差される方向に視線を向けると、そこには人一人が入れるほどの穴があった。

それをスーが見つけ、ジャスティンも確認するや否や、二人は揃って積みあがっている荷物を台に上り、その穴へと入っていった。

穴を潜って中へと入った二人は、天井にて明かりを吊るすためと思われる少し細めの板の上を慎重に進み、式場中央へと進む。

最奥の板の下、式場中央には予想通り両手両足を縛られ、猿轡までされたフィーナとパコンの姿があり、すでに結婚式は始まってる様子だった。

 

「汝ら〜、如何なるときも〜、苦しいときも〜、病めるときも〜、一生愛し合うことを誓うか〜?」

 

「はいは〜い、誓っちゃうよぉ〜ん」

 

「んーー! んんーー!」

 

「返答のない者は〜、同意したものとみなす〜」

 

始まってはいるものの、明らかに可笑しい結婚式だということがこれでわかる。

パコンは元々だが、神父もフィーナが言葉を発せる状態じゃないのが分かっていて、結婚式を推し進めようとしている。

言うなれば、そこにはフィーナの意思というものがまるで存在しないということである。

こんな滅茶苦茶な結婚式を見せられ、ジャスティンとスーの二人が許せるわけもなく、内心で怒りを浮かべながらも進む。

そして式場中央のちょうど真上に到達したとき、とうとう結婚式は大詰めを迎えるべく、パコンがフィーナへとキスをしようと迫る。

突入のタイミングを図ろうとしていたがそんなこと見て見ぬ振りなどできず、二人はフィーナへと迫るパコンのちょうど間へと飛び降りた。

 

「そこまでだ、パコン! こんな滅茶苦茶な結婚式、これ以上進めるのはオレたちが許さないぞ!」

 

「そーよそーよ! 結婚式は女の子の夢なのに……気持ちを無視して進めるなんて絶対に許さないんだから!」

 

「ばぁふひん! ふー!」

 

二人の突然の乱入にパコンは驚きを浮かべ、フィーナは猿轡をされながらも名を呼ぶ。

だが、驚きを浮かべはしたが、すぐにパコンはいつものへらへらとした余裕の笑みを浮かべる。

 

「よくも僕たちの結婚式を邪魔してくれたね〜……許さないよぉ〜ん」

 

相変わらずの口調でそう言うも、笑みの中には邪魔されたことへの怒りがどことなく感じられる。

そんな薄っすらとだが、明らかな怒りを浮かべたパコンは両手を前に上げ、パンパンと叩いて鳴らす。

 

「チャン先生、カモ〜ン!」

 

手を叩くと同時に発せられたその名に、ジャスティンとスーは警戒をしだす。

というのも、フィーナが攫われる際にジャスティンを不意打ちとはいえ伸した人物、それがチャン先生なのだ。

故に二人は再び不意打ちを食らうまいと、その名が呼ばれたと同時に警戒を露にしたのだ。

しかし、名が呼ばれて二人が警戒をしてから数十秒、一向にチャン先生なる人物は姿を見せない。

それにパコンは不思議そうな顔をし、もう一度手をパンパンと叩いて同じ名前を呼ぶ。

だが、それでもチャン先生と思しき人物は現れることなく、若干の静寂がその場を流れる。

そして静寂が流れること数秒程度、扉が開かれっぱなしの隣の部屋からコツコツと皆のほうへ歩む音が聞こえてくる。

 

「チャン先生とは、コイツのことか?」

 

「へ?」

 

足音が止まり、その声が聞こえると同時にパコンの足元に何かが投げつけられる。

ドサッと音を立てて足元の地面に転がったそれに皆が目を向けると、そこには白目をむいた状態で気絶するチャン先生の姿があった。

それにパコンだけならず他の面々も例外なく驚きを浮かべる中で、それを投げつけた張本人が更に歩み寄ってきた。

歩み寄ってくる張本人に皆が視線を向けると、そこにあったのも皆が驚くに値する人物だった。

 

「に、にいふぁん!?」

 

「ふむ……拘束された状態で結婚式を挙げるというのは、フィーナの趣味か?」

 

「はっ……ほ、ほんなふぁけないへふぉ!」

 

その人物―恭也は明らかにからかっているという表情で言い、フィーナは若干怒り口調で否定する。

そして否定するや否や、早く縄を解けと言わんばかりにもぞもぞと動き出す。

しかしまあ、それで解けるぐらいなら最初から逃げられているわけなのだから、フィーナ一人で解けるわけもない。

故にその様子を少しだけ観察して遂には睨まれた恭也は苦笑を浮かべ、ジャスティンとスーに解いてやれと視線で言う。

それに二人が少し戸惑いながらも頷いてフィーナを縛っている縄と猿轡を外しにかかる中、恭也は再びパコンへと視線を向ける。

 

「さて……俺の忠告を無視して妹に手を出したんだ。 覚悟は……出来てるな?」

 

「ひっ……」

 

無表情且つ腰にある八景に手を掛けながら聞くあたり、恭也は結構キレ気味であることは明らかだ。

キレ気味状態の恭也と対峙した大概の者は、はっきり言って恐怖という感情しか浮かんではこない。

そしてそれは小心者であるパコンも例外などではなく、小心者故に普通以上に恭也へと恐怖を抱いてしまう。

しかし、それでもパコンはまだ切り札があるとでもいうかのように元の笑いを浮かべ、若干震える口で言葉を紡ぐ。

 

「ぼ、僕に手を出したらフィーナちゃんのパスを取り上げちゃうよぉ……それでもいいのかなぁ?」

 

「だそうだが……どうする、フィーナ?」

 

拘束を解かれて立ち上がったフィーナにそう言ってちらっとだけ視線を向ける。

その視線と交わったときのフィーナの目からは、誘拐前にあった迷いのようなものは一切感じられなかった。

あるのはしっかりとした決意と、自分の本当の意思という二つが感じられる光。

それを見た恭也が少しだけ口元に微笑を浮かべると同時に、フィーナは数歩だけパコンへと歩み寄った。

そのフィーナの行動を答えと見たのか、ジャスティンとスーは驚きを浮かべ、パコンは歓喜の表情を浮かべる。

 

「フィーナっ!?」

 

「あははは、そうだよね〜。 パスがなかったら冒険できなくなっちゃうんだから、フィーナちゃんにはそれしか選択できないよね〜」

 

「……」

 

パコンがそう言って喜びを浮かべる中、フィーナは何も言わずに手を差し出す。

差し出された手にパコンは目を向け、同時にその手に握られているものに一転して驚きを浮かべる。

その手に握られていた物とは、冒険者協会員の証である冒険者パスだった。

それをパコンに向けて差し出すということ……それはパスの返却、冒険者協会からの退会を意味していた。

そのことがわかったからか、パコンは目に見えて焦りを表に出すが、焦り故にまともな言葉が紡げなかった。

言葉をまともに紡げず、焦りを出すしかないパコンに、フィーナはパスを差し出したまま口を開いた。

 

「冒険者というのは何なのか、私は忘れてたわ。 冒険者協会にいなければ冒険ができない……そう、信じていたから。 でも、本当は違う……協会にいなくても、冒険者はただ世界に吹く風のように……ただ自由に歩むもの」

 

「あ、う……」

 

「だから、このパスはあなたに返すわ。 私も、本来の冒険者に戻りたい……風のように、自由に歩みたいから」

 

そう言ってフィーナはパスをパコンの手に握らせ、背を向けてジャスティンたちのほうへと戻る。

それと同時にパコンはその場に崩れ落ち、大声で情けなく泣き声を上げ始めた。

そんなパコンを恭也はもう一目だけ見た後、八景に掛けていた手を下ろし、背を向けて同じくジャスティンたちの元へ歩んだ。

 

「じゃあ、とりあえずここから出ましょう、皆」

 

「「ああ(うん)!」」

 

「あ〜……」

 

フィーナの発言に賛成するジャスティンとスーとは違い、恭也の返答はどこか歯切れが悪い。

そのことに不思議に思った三人が揃って視線を向けると、恭也はやはり歯切れ悪く口を開いた。

 

「それなんだが、俺は別の出口から出ようと思う」

 

「え……ど、どうして?」

 

「いや、まあ……いろいろと理由があるわけだ。 詳しくは聞いてくれるな……ではな!」

 

「あ……」

 

理由を問い詰める間もなく、止める間もなく、恭也は元来た道から出て行ってしまった。

それを呆然と見送るしかなかったジャスティンたちは、我に返った後に一様に不思議そうな顔を浮かべていた。

しかしまあ、いつまでもそうしているわけにもいかないので、不思議に思いながらも一同は式場の正面玄関へと向かった。

そして、正面玄関の扉を開いて外へ出たと同時に、一同はなぜ恭也が別の出口で出て行ったのかを嫌でも理解することになった。

 

「結婚おめでとーーーっ!!」

 

「お似合いですよーー!!」

 

「あれ、ていうか、なんでパコン様じゃないんだ? というか、こいつ誰だよ?」

 

「まあまあ、そんな些細なこと気にするな。 少しおかしなことがあっても結婚式がめでたいことに変わりねえんだからよ!」

 

「それもそうだな」

 

扉から一直線の道のサイドで列を作る人々からの大喝采や祝いの言葉。

それが向けられているのは、明らかにジャスティンたち……というかジャスティンとフィーナである。

これが恭也が別の出口から出て行った理由、つまりは結婚式の的として見られるのが嫌だった故に逃走だったのだ。

そのことを理解した一同は苦笑したり、ちょっと怒った顔をしたりと様々だった。

しかしまあ、本人たちもこれはこれで悪い気はせず互いに顔を見合わせ、表情を一転させて一様に困った顔を浮かべた。

そして、そのままその場にいるのも恥ずかしいということもあり、少し駆け足気味で式場を去っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

フィーナ救出完了〜。

【咲】 みじかっ!?

まあ、それはしょうがないのですよ……実際もそこまで長いわけではないし。

【咲】 まあそれはそうだけど……もう少し伸ばしてもいいんじゃないの?

いや〜……俺の技量じゃ無理だ!

【咲】 ああ、納得。

それで納得しないでほしかった……orz

【咲】 で、これが終わったって事は本格的にフィーナがパーティに加入するわけでしょ?

そういうことだな。 そして次はフィーナ加入からの最初のダンジョンである!!

【咲】 ああ、あの遺跡ね。

そそ。 だがまあ、本格的に遺跡探索に入るのは次々話だけどね。

【咲】 そりゃねぇ……山脈でのことを端折るわけにもいかないでしょ。

それもあるが……恭也の動向も次回は出てくるから、そこでも結構取るし。

【咲】 ああ、そういうことね……で、恭也はどうするわけ? ジャスティンたちについていくの?

まあ、そこは次回のお楽しみ、だな。

【咲】 いつも通りねぇ……じゃ、今回はこの辺で!!

また次回会いましょう〜ノシ

 

 

 

 

 

 

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